女性の美を多角度でサポートし続ける

阪急・西宮北口駅から北へ徒歩5分。駅前商店街の喧騒から抜け出たところに佇む美容室・FRESCA(フレスカ)。
ドアを開けると、大人可愛い外観の印象そのままの笑顔が迎えてくれます。青山直美さん、ご夫婦でこの美容室を経営しています。

10代の決断は音楽から


神戸生まれの島根育ち。通訳になるのが夢で、高校生は英語科に進学しました。
部活で軽音楽部に入ったことから人生の航路が大きく変わります。

 

青山「バンドメンバーの髪をいじったりするのが楽しくて。もしかしたら、自分には美容が向いているのでは? と思い始めたんです。卒業するころには、美容師になる気持ちが固まっていました」

ル・トーア東亜美容専門学校(大阪市)へ進学して美容師の資格を身に着け、在学中からアルバイトをしていた美容室に就職。

2店目の美容室に勤めていた頃にロンドンに1年間留学しました。

青山「やはり、英語はやっておきたかったので、イギリスに行って語学学校と美容学校に通いました。

帰国後、結婚をしてそのまま夫と開業することになったのです」

20代の挑戦は勢いで

結婚相手の青山哲司さんは、専門学校時代の同級生。

1998年に結婚し、1999年に西宮北口に出店を果たしました。美容師としての経験も浅い若い夫婦の開業に、周囲からは「大丈夫か?」と心配の声が上がったとか。

青山「美容業界に精通している知人があって、開店に必要な設備や物品の準備や資金計画まで、アドバイスを受けることができましたので、迷わずに進めることができました。人に恵まれて、勢いで動きましたね。仕事が終わってから朝まで勉強したり、コンテストに出たりという、少々無理と思えることもできてしまう年代でした」

新たな大展開の40代

着々とお客様も増え順風満帆でしたが、少々手狭になってきたことと、店舗がビルの2階にあったため、年配のお客様から「階段を上れなくなったら伺えなくなるわね」と深刻な言葉が聞かれるようになってきました。

青山「ベビーカーでお子さん連れで来店されるお客様もありますし、車椅子でのご訪問もあります。どんなお客様がいらしても喜んでいただけるような店にしたいと思い、路面店を探し始めました。なかなか良い物件に出会えなかったのですが、元の店から徒歩3分ほどの所にたまたま空きが出て移ってきたのが現在地です」

創業から16年経っていました。

移転に伴い店名も変えました。新しい名の「FRESCA」は、「新鮮。流行の…」という意味。

青山「この地に移って3年経ちましたが、お客様にはまるで昔からそこにあるかのように思ってもらえているようです」

信念をもった青山さん流子育て

不妊治療の甲斐あって、3人の子どものママ。

青山「下の子2人は双子なんですが、うまく競い合いつつ、子ども同士3人で助け合って成長しています。最近は子どもたちが店を継ぎたいと言ってくれるようになりました」

店を切り盛りしながらの子育ては、「ほったらかし」と語る青山さんですが、それぞれに家事を分担させ、厳しくチェックして「やり直し!」の号令も度々。

欠かさない部屋の片づけの際は、誰かの好きな曲をかけて「この1曲で片付けなさい!」と言って、3人で一斉に片付けるのだとか。

子どもたちが楽しみながら自主性を伸ばしている様子が伺えます。

青山「子育ての専門家に『理不尽に怒りなさい』と言われたことがあります。世の中そのものが理不尽なことだらけですし、子どもと本気で喧嘩をすることもあります。子どもたちから『うちの家は軍隊、ママ怖い』などと言われるくらい、褒めるよりけなすことのほうが多いですよ。でも私自身、自己肯定感はあまりないのですが、常に上を見ています」

子どもたちに残してあげたい店づくり

品のよいヨーロッパのテイストが漂う店内では、お客様とのコラボでセミナーやワークショップを開催したり、お客様として来られる作家さんたちのアクセサリーやグッズを展示販売しています。アクセサリー類は2カ月に1回ほどの割合で更新されますが、いずれもクォリティが高く、来店のお客様にも大好評です。

青山さんは「気の通り道を目指しています」と話します。

青山「感受性の敏感なスタッフだと、お客様のストレスをもらってしんどくなることがあります。『髪の毛を切って心機一転』と言われたりするくらい密接に繋がっていて、髪の毛を切ることで切り離したものををもらってしまう美容師さんは多いんです。

シャンプーでいやなものを落とすと、いい気が流れます。その場にまたいいお客さんが来てくだされば、陽の循環になります。そのためには、ストレスを留まらせずに循環させること。つまり、愛を与え続けることに尽きます。自分が嫌な思いをしていたら相手も嫌な気分になりますが、こちらが愛を示すと相手からも愛が返ってくるので、お客様に心をこめて接していれば、いい気が通り続けていきます」

お店の前の通りがこの数年でグンと明るいイメージになり、近所に新たなお店も次々開店してきたことから見ると、同店が果たしてきた役割は大きいと言えます。

「自分の子どもに残してあげたい店はこれですか?」と自問し続けているという青山さんの答えが一つ、ここに見えました。

美を体の内側からも創り出す

2018年10月に「発酵食cafe fig plate(フィグプレート)」がFRESCAの隣にオープンしました。
美を追求し続けてきた青山さんが「体の内側からの健康美を創造したい」という想いを強くしたころ、たまたま隣の店舗が空くことがわかり、思い切って開店したものです。

季節のオーガニック素材を発酵調味料や甘酒で調理したプレートとノンカフェインのドリンクによるメニューは、意識を高く持つ女性やファミリーに大人気で、予約で満杯の日もあるほど。

fig plateの開店に当たって、青山さんが「是非に」と推した片上店長は、発酵食のエキスパート。

青山「インスタグラムに掲載されている片上さんの作る食事の写真がとても透明感がありました。健康・美容をよく研究している人だ! この人なら任せられると確信を持ったのです。ひたすら料理を作っておきたい真面目な職人タイプで、押し付けがましくない人柄が信頼できます」

最近は、片上店長の指導によるファスティング講座も開催しています。店長が200人ぐらいの実績を上げている講座を導入。青山さん自身も7日間の講座を2回受講し、5Kg痩せたとか。

青山「脳もデトックスされるので、思考がシンプルになって心配や不安が解消されたり、自分に必要なものがわかって決断できなかったことができるようになってやる気に満ちてくるんです」

これは、体験してみる価値がありそうです。

根拠のない自信

青山「出店、移転、新店舗など、どんな局面でも、だいじょうぶ、だいじょうぶ。なんとかなると自信を持てるところがあります。引き寄せの法則というのがありますが、「こうなりたい」ということを「こうなった」と完了形で書くとその通りになると言われます。何の疑いもなく、「その通りにしていく」ことが大切なのだと思っています。

いつも先を見過ぎて現実を見ていない、常に上を見過ぎている、と言われることもありますが、不安にはならず「もっとある、もっとできる」と思います。