10月半ばの祝日、大阪にも台風が上陸した日のこと。私たちは午前中の診察を終え、まだ雨風もひどくない中、家路を急いでいた。夙川公園では川べりにとまっていた3羽のハトが川面を見つめている。その横にはおびただしいスズメの一団が、やはり地面の上にたたずんでいた。
　まだそう風も吹いていない時になぜ鳥たちは地面の上に集まっているのだろう。私たちが犬を連れていたので、ハトもスズメも一斉に飛び立ったが、ハトは対岸の川べりに再び降りて、あたかも川の流れを覗き込んで確認しているように見える。スズメたちは、再び地面に舞い降りて騒々しくちゅんちゅんとさえずりはじめた。2羽のカラスたちは、そんな中でも公園のごみ箱からおいしそうなものを物色して腹ごしらえ中。川を泳ぐコイたちは、また大雨で下流まで流されてしまうことを悟っているのだろうか。
　台風の前にはいつもの景色もちょっと違って見えて新しい発見があるね。

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