どこかで待ってる


 11月の寒波到来あたりから、老齢で寿命を全うして旅立っていく犬猫たちが増えた。動物たちにカレンダーは関係ないといっても年の瀬にはやはり節目を迎えることも多い。
 一方で寒さは、人の心にも何らかの変化ももたらすのか、今年前半に犬猫たちを見送った人たちが新しい家族を伴って病院を訪れ、懐かしい顔ぶれに再会できる機会も増えた。天寿全うの場合も、不幸にして闘病の末旅立っていった場合も、時には心の傷は深く、別れがあまりにも悲しすぎて二度とペットは飼えないと涙を流していた人の中にも、再び一緒に過ごした楽しい記憶が戻ってきたのかもしれない。初々しい命を迎える後押しを、きっと先輩たちが天国からしてくれたはず。
 別れは辛い。でも別れるまでの時間はお互い心温まる日々に違いない。今打ちひしがれても時間が想い出を彩ってくれるはず。そして今シェルターでその日々を待っている小さな命にも手を差し伸べてほしい。

ク−パー動物病院  http://cooper-net.jp/

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