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   編集長・正木京子のこの人に会いたい!
 西宮を代表する「声」と言えば、この人。ラジオ関西やMBSラジオ、さくらFMでも活躍中。市内で催されるイベントや会議の名司会者としても定評のある増井孝子さんを訪ねました。

 西宮出身なんですね

 生まれも育ちも西宮です。鳴尾で生まれて上之町に転居し、小学校は高木小学校、中学から大学までは、神戸女学院で過ごしました。私、ひとりっ子なんですが、昔から人と話すのが好きでしたね。中・高時代は、「オーディーオ・ビジュアルクラブ」に入った上、文芸部や劇研やコーラス部にも首を突っ込んだりしていました。

 増井さんと言えば、ポプコンの司会者のイメージがあります

 ポプコン(ヤマハポピュラーソングコンテスト)の、つま恋本選の司会は第16回からで、その年のグランプリは、「夢想花」を歌った円広志さんでした。
 もともと神戸で学生が作っていた音楽サークル「ポートジュビリー」の司会をきっかけに、ポプコン関西四国大会の司会を担当し、1978年に大石吾朗さんが倒れて、急遽オーダーが来たことが、本選司会の始まりなんです。

 コミュニケーション学の指導もしておられるとか?

 駆け出しの頃に、先輩から言われて強く心に残っている言葉があるんですが、「伝えることと伝わることは違う」と。相手が理解できなかったら、それは伝わったことにはならないですね。確かに日本人って、言葉で伝えることがとても下手な民族なんです。学校でディベートやプレゼンテーションを実践して学ぶ機会がなかったからなんですね。 
 そんな点を若い人に伝えたくて、姫路にある医療専門学校で教えています。この学校には、理学療法学科、介護福祉学科、リトミック保育学科などがありますが、いずれも「コミュニケーション」が重要な分野です。 指導の中で、「連想ゲーム」をするのですが、「赤」という言葉一つからでも、「ポスト」「リンゴ」…と、生徒から次々に言葉が浮かんできます。みんな考えることはバラバラなんですね。それが当たり前なんだけど、違うからこそ、ちゃんと言葉で伝えないと共通認識が持てなくて、信頼関係が結べません。
 その人らしい話し方をすること、相手に合わせて言葉や喋り方を選ぶと、想いが相手に伝わっていきます。これからは、こんな勉強がもっと重要になると思いますよ。

 さくらFMについてひとこと

 地域密着のメディアには、広域ネットのメディアとは違った面白さがあります。「顔が見える関係」のような、ご近所さん感覚が楽しいですし、地域密着だからこそ伝わることもあるんですよ。運営的には、広告収入一つ取っても、「そんな狭いエリアでどんな効果あるの?」と言われたり厳しい側面もありますが、今はサイマル放送が始まって、PCやスマホで全国で聴けるようになったので、新たな展開も期待できそうです。
 さくらFMも私自身も、西宮で育てていただいていますので、ご恩返しのつもりで、人と人を結ぶお手伝いを続けていきたいと思っています。


●西宮市池田町9−7
 フレンテ西館3F さくらFM
 TEL.0798−37−5512

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