第8話 西宮神社



  福の神、えびす様を祀る神社の総本社。えびす信仰資料展示室もあります。拝殿を抱えるように北西に広がる「えびすの森」は兵庫県指定天然記念物です。
 全国に多数の分霊社があり、南三陸町にある志津川西宮神社の東日本大震災で流失した古文書は、ここで再生されました。また、志津川西宮神社宮司の娘さんの書いた「つなみのえほん」を子どもたちに読み聞かせることなどで復興を支援しています。

 「福男選び」でおなじみの西宮えびす。阪神西宮駅・えびす口より徒歩5分のところにあり、創建年代は不明ですが、平安時代後期の文献には記述が見られます。
 古来、日本人は新しいものを取り入れることに長けており、えびす信仰は、外国(とつくに)から辿り着いた漂着物や異形の物を、ありがたい物として祀ったことが起こりです。
 鳴尾の漁師が放った網に、鳴尾沖と和田岬で2度に渡ってえびす様の御神像がかかり、お祀りしていたところ、「自分が祀られるべき場所はもう少し西の場所」と、現在地に移されたとか。「おこしやまつり」はそのエピソードが発祥です。
 境内にある「六英堂」は元岩倉具視別邸。日本を代表する政治家6人の会合が行われたことが名前の由来で、神社会館と同様に一般利用も可能です。




権禰宜
 小林義明さん
 姫路城のすぐそば、姫路護國神社の長男として生まれ、皇學館大学で神職の課程を修めて西宮神社へ。赴任7年、神様と人びととの仲を取り持つ「仲執持」としての神職の心構えについて、明快に説明されます。



西宮神社
西宮市社家町1-17 
TEL.0798-33-0321
http://nishinomiya-ebisu.com/

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