第10話 甲子園八幡神社



 正確な創立年代は不明ですが、拝殿正面にある「四社大神宮」の扁額が安政6(1859)年作と言われ、文化8(1811)年の古書にも記載があるとか。以前は瓦木八幡神社と言われていました。
 釣燈籠には、天和2(1682)年「鳥養」の銘が刻字され、同年代の石燈籠、石鳥居等が伝わります。昭和62(1987)年に瓦葺きの屋根が銅板葺きに変更されました。

 安政南海地震の際に、社殿は無事だったものの、避難者が残した焚き火の不始末により消失。安政3(1856)年に再建され、昭和32(1958)年に神社建築では珍しい八棟造を模して造営されました。
 境内南側に居宅、社務所、直会所と繋がった長い建物があり、本殿南側に今も残る階段は、直会所外の廊下に繋がっていました。阪神大震災で被災し、社務所を参道わきに建て替えたため、境内がやや狭くなっています。
 「氏子組織を大きくしたいですね」と、下垣宮司。毎年7月の夏祭りには、夜店が出てにぎわいを見せます。現在、神輿を修復中で、完了後には子ども神輿と併せて、町のコミュニケーションを盛り上げてくれそうです。




宮司
 下垣 進 さん
 システムエンジニアから神職に転職した、異例の職歴の持ち主。「神道は教義経典がありませんから、一般に言う宗教とは違うんです。生活習慣、生活の規範として、親しんでいただきたいですね」と、正しく慎ましく生きる人です。



甲子園八幡神社
西宮市上甲子園4-4-11 
TEL.0798-34-1298

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