第12話 高木八幡神社



 「東の宮」である高木東町の熊野神社に対して「西の宮」と呼ばれる。創建年は不明だが、元禄13年(1699)及び文政11年(1828)には神殿の改築が行われた記録が残り、昭和50年(1975)コンクリート造りに新築。さらに阪神大震災では鳥居が倒壊するなどして、現在地に移築された。旧鳥居や燈籠などが境内に保存されている。  拝殿と本殿を一棟に収めた「権現造り」で、神仏習合の名残を濃く留めている。

 西宮北口駅から北東へ5分のところにある小ぢんまりとした神社。氏子域には、阪急西宮ガーデンズやアクタ西宮、にしきた商店街などの繁華街も含まれています。震災後の移築時に樹木も植え替えたため、鎮守の杜も若く、空が開けて明るい雰囲気です。土塀で囲まなかったのは、少年犯罪の温床になることを避けたためだとか。
 3月の春祭り、7月の夏祭りには湯立神楽が行われます。震災以降は、10月に行われる高木祭りに同社のお神輿が登場。地区の若者に担がれて町内を練り歩きます。  八幡神社は武運長久の神として知られますが、「八幡大菩薩」と呼ばれるように、「仏様が神様の形をとって現れた」とされる神とされ、境界のない世界観もあります。




宮司
・宮崎典久さん

 國學院大學を卒業し、神職の資格を得た後、神戸大学で日本史を修めただけあって、歴史のお話が聞きごたえある人。平成12年より同社宮司を務め、17年からは熊野神社宮司を兼務されています。



高木八幡神社
西宮市高木西町6-15 
TEL.0798-64-0549(熊野神社)

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