第13話 岡太神社



 岡太神社は、「おかしの宮」と呼ばれる。これは、岡司氏の創建とされる説が有力。寛政10年(1798年)刊の「摂津名所図絵(全9巻のうちの巻7)」に「武庫川 おかしの宮 小松旧跡」の記述が見られ、当時の観光名所であったことがわかる。
 平重盛との縁も深く、境内の東南部に「小松内大臣 平重盛 供養塔」と伝わる石塔や「平重盛之城址」の石碑がある。いずれも神社の周辺から移設されたもの。

 阪神武庫川駅から北西へ5分のところにある、緑深い神社で、この地域の歴史を伝える石塔や石碑が数多く見られます。平安時代末期に、瀬戸内海の海上支配権を掌握して台頭した平氏が各地に荘園を持ち、この近辺には「小松庄」がありました。神社の西方に清盛の嫡男・重盛が城を構えていたと伝わっています。
 同社には「一時上臈(いっときじょうろう)」と称する宮座儀礼が毎年10月に執り行われ、西宮市の重要無形民俗文化財に指定されています。かつては各頭役の家から太鼓を先頭に行列を組んでお供物を神社に運んでいましたが、諸般の事情により中止しています。
 阪神大震災では、文化財に指定されていた二重屋根構造の本殿が倒壊し、平成13年に再建されました。




宮司
・永田武信さん

 大正14年生まれの第17代宮司。ハルビン工業大学で理工学を修め、第二次大戦後に神職に就いた、バリバリ現役の89歳。震災後の本殿再建のデザインは、宮司自らの手によるものです。



岡太神社
西宮市小松南町2-2-8 
TEL.0798-45-0435

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