私の病院に通っていた猫の飼い主の知り合いが、子猫の里親になりたいと申し出てくださり、数泊試しお泊りとなった。初めて猫を飼う一人暮らしの方で、まずは本当に世話をしていくことができそうかやってみるというもの。引き取ってからこんなはずじゃなかったと、また放棄されることを防ぐためにやっている。問題なさそうと私たちの胸は期待に膨らんだ。
　ところがである。翌朝、子猫は私たちの病院に緊急送還。里親候補の女性が前夜喘息発作で救急病院へ。女性は子猫をすごく気に入りベッドに入れて一緒に寝たところ、夜中に呼吸困難になった。今まで喘息の既往症もなかったので、本人は相当ビックリだが、私たちもいい人だっただけにもちろんショック。だけど、このような重大な発作が起こるのでは、猫との生活は命の危険が伴うのでとても無理。この子猫は、その大事なことを彼女に教えてくれたのだ。その後、子猫は別の里親に引き取られ幸せに暮らしている。


ク−パー動物病院　 http://cooper-net.jp/