これを皆さんが読む頃にはもう桜も花開いているだろう。もう少したつと、巣立ちの練習をしているヒナを間違って保護してしまう人が必ず毎年出てくる。
　ヒナたちの大人への第一歩は飛ぶ練習だ。巣の中でヒヨヒヨ鳴いて餌をもらっていた状態からいきなり大空へ羽ばたけるわけではない。はじめは長距離を飛ぶだけの力はない。何より、今まで過ごした小さな巣から壁も天井もない抜けるようなまぶしい青空に面食らっているのかもしれないし、広い世界に憧れの気持ちもあるかもしれない。羽ばたく力が弱々しく地面に降りていることがあっても近くには必ず親鳥がいて見守っているから、ここで人間が保護してしまっては、鳥たちにとっては誘拐されたに等しい。危険が迫っている時はそっと近くの安全なところに移すだけで若い命の新しいチャレンジを見守ってほしい。
　この春、新たな人生の一歩を踏み出す人にも辛い時期があるかもしれないけど、努力が報われる日がきっと来るはず。親鳥はいつでも見守っているよ！

ク−パー動物病院　 http://cooper-net.jp/