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 甲子園口在住の南インド古典舞踊家・モガリ真奈美さんは、エキゾチックな美人。各地で踊る傍ら、阪神間の教室で指導をしたり、西宮香風高校で、「異文化体験・インド古典舞踊(選択科目)」の特別非常勤講師も務めています。

舞踊との出会いは?

 育った環境は、舞踊とは何も関係がありませんでした。進学校の高校を卒業後、社会に出ることを選んで、アルバイト生活をしていたのですが、ある時、大けがをしてしまい、外に出ることができない時期がありました。そのときに読んだ本に影響を受けて、裏方の仕事をしたいと思うようになったのです。やがて、ヘアメイクアシスタントのお手伝いをしているときに、上司から「あなたは、裏方ではなく表に出て表現をするべき人だ」と言われました。

南インド古典舞踊との出会い

 あるところで初対面の人から「インド古典舞踊の体験レッスンに来ませんか」と誘われて行ってみたら、リズムがおもしろくて。身体のなかの叫びを刺激される感じです。靴を履かずに素足で踊るところにも引かれました。なんとなく初めてみて、当時、関西には3つしかなかった南インド古典舞踊の教室の京都の教室に通いました。  そして1ヶ月間、一人で南インドを旅しました。ゆっくりした時間の流れを楽しみながら、マドラス(現チェンナイ)では、毎日踊りのレッスンを受けました。帰国直前に先生の踊りを見て、とても感動したことが、現在の活動に繋がっています。

メッセージを伝える

 南インド古典舞踊は、太古から寺院で踊られていた神々への祈りや神話の踊りです。十九世紀になって舞台芸術として確立され、世界中に広がっています。もともと神との対話として生まれた舞踊ですから、振り付けの一つひとつが、神話のストーリーを追っており、指の動きで細かい表現をします。それを見ていると、音楽や振り付けが目が見えない人や耳の聞こえないひとのための補助になっていることに気付きます。
 また、ヒンドゥー教の神が日本の古神道と密接に繋がっていることも興味深いです。あるいは、シヴァ神の化身は仏教では大黒天ですし、象の顔を持ったガネーシャは、聖天、歓喜天になります。こうした古来からの繋がりを知ってインド舞踊を観ると、感じ取るものがあるはずです。本を何度も読むうちに示唆が読みとれるように、舞踊も同じ踊りを何度も観るうちに、その場での響きによって得るものがあるのです。これが「古典に還る」ということだと思います。

これからの夢は?

 高校生くらいの年齢の子たちに、芸術で感性を磨ける学校を作りたいですね。和歌山に「りら創造芸術高等専修学校」という、男女共学の専修高校がありますが、そんな学校を開いて、足の裏や毛穴から感じ取る情報を力にできる子供たちを育てていきたいです。 


■西宮市甲子園口3-15-6-301
http://manami-f.com


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