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 米粉のバームをコツコツと焼いてて自分の店を持ち、カフェも開いて7年。住宅街の中のちょっと見つけにくい場所にありながら、熱烈なファンの多い「ぴゅあ樹(バーム)光」の安田さんを訪ねました。

バームは森の中から生まれたとか

 「自分のお店を持ちたい」という夢はずっとあって、高校生の頃から、飲食店やコンビニ、ゴルフ場のキャディなどのアルバイトをし、学校を卒業してからは、レストラン、ゴルフ場、コンピュータ・プログラミングの会社と多様なジャンルの仕事をしていましたが、何をするかが見つからないままでした。「一度、自然に還ってみよう」と思い立って、天川村(奈良県吉野郡)のキャンプ場のお手伝いに。何しろ不便なところで、1時間かけて山の上に登らないと携帯電話がつながらないような山中です。そこで木を伐っている時に、木の切り口を見て「これだ!」と。

なぜ米粉のバーム?

 日本のバームだから、国内産の原材料だけを使いたいと思ったら、米粉になりました。いろいろな米粉を試してみましたが、唯一、おいしく焼けるのが、日本酒の原料になる山田錦の粉でした。西宮には縁の深いお米で、不思議なつながりを感じましたね。バター、生クリーム、卵、全て国内産です。自然の物だけを使いたかったので、膨張剤は入れずに卵の力だけで膨らませています。



年代物の機械だそうですね

 機械の購入をお願いしていた会社に、いよいよ出店できるようになって連絡をしたら、「地域内の調整のため売れない」と言われまして。これには慌てました。日本中を探してもらって、石川県で中古の機械が見つかったんです。今年で42歳になる、私よりも年上の「お兄さん」。新型なら装備されている、優れた温度計やタイマーなどがありませんので、バームを焼く時は付きっきりになります。とても世話のかかる機械です。でも、この機械でなければ、「ぴゅあバーム」は生まれませんでした。もうパーツもないそうですし、できるだけ長生きしてほしいです。

「お兄さん」と一緒に創り出した、たくさんの味のバームですね

 先日、開店7周年を記念して、「あの味をもう一度」のリクエストにお応えしようと「ばぁむ総選挙」をしたんですが、これまでに52種類の味のバームを創り出してきました。時々再登場している味もあるし、1度っきりになっている味もあります。これからも、色々な味を創っていきたいですね。



店内が森のようになっています

 現在の工房兼店舗の前に、夙川で開店していましたが、その頃から、トトロが出てくるような店を造りたいと思って、インテリアや小物を買い集めていました。それらに合わせて、テーブルを作ってもらったんですよ。ゆっくりくつろいでいただきたいですし、音楽会や講演会などのイベントにも使っていただきたいなと思っています。



●ぴゅあ樹(バーム) 光
西宮市青木町12ー5
TEL.0798-73-8837
http://purebaumhikari.jp/


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