第17話 日吉神社



 境内にある「御由緒」の碑によれば、大山咋大神(おおやまくいのおおかみ)を祭神とし、六甲山諸峯を奉拝し、国土安泰、諸民繁栄の守護社。浮島にある石祠(旧弁天社)は、永正14年(1517)の足利時代の建立と推定され、「槌」の刻印が彫られており、市内に現存する最古の金石文で、芦屋市指定文化財第6号。津知村の歴史を知る一つの足がかりとなっている。

 津知町は、摂津国菟原郡本庄荘九ヶ村(田辺・北畑・小路・中野・三条・津知|森・深江・青木)の一つでした。これらが保久良神社(東灘区本山町)の旧氏子域です。明治29年(1896)の郡統廃合、昭和15年(1940)の芦屋市制施行を経て、芦屋市津知町となりました。  「昔の地名は大切にしないと、土地の歴史がわからなくなります」と猿丸宮司。
 阪神淡路大震災で、町全体が壊滅的被害を受け、神社も社殿が全壊しましたが、平成15年(2003)に、氏子の皆さんの努力によって、復興しました。街並みも神社も真新しく、太陽を遮る樹木も少なく、明るさにあふれていますが、境内の随所に歴史を語る碑や玉垣が残されていますので、ほっと落ち着ける場になっています。




宮司
・猿丸義也さん

 祖父が祭祀継承した保久良神社の三代目宮司として、日吉神社を兼務。昭和25年に大学を卒業後、神職に。東灘から芦屋地区の歴史の生字引のような人です。(写真はご本人の希望により非掲載)

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日吉神社
芦屋市津知町6-9 
TEL.0797-38-2115

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