第2話 福應神社



 社殿や鳥居灯篭などの石造物は阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受けましたが、堅牢な社殿に復興しました。もともと社殿は、現在の名神西宮ICの中央に祀られていましたが、国道と高速道建設に伴い、南へ東へと2度にわたり遷宮され、境内の広さも当初の3分1程度となりました。神社より西側にある今津社前町の地名は、移転前の名残です。近隣有志によって復元された昭和12年当時の地図が神社内に保存されています。

 西宮神社・越木岩神社とともに「西宮三福神」の一つ。平安時代の記録もあり、社号「福應神社」は文禄年間に、後陽成天皇より、「福に應ずる宮」として賜わりました。  阪神久寿川駅より南西に300m、国道43号線を渡った西宮IC近くにあります。灘五郷の東端の今津郷があり、樽廻船の要所・今津港を中心に、今津は漁師町として栄え、同社は家内安全、船の安全航行を見守ってきました。
 境内の神輿楽車庫には、氏子から寄進された御輿と舟・武者・ふとん太鼓の3基のだんじりが保管されています。山車は維持管理も大変ですが、近年は人口・交通量の増加と担ぎ手・曳き手の不足により、運行も難しいとか。
 7月13日(土)・14日(日)は夏祭。14日には、だんじり巡行があります。14時の宮出は今津真砂地区へ、17時からは今津駅周辺へ。だんじり巡行は町ぐるみで盛り上げる神賑わいの行事、どなたでも参加できます。



宮 司
 飯森靖典さん
権禰宜 飯森真理子さん
「神道は自然から得られる安らぎや生活習慣です。祀りごとは、家族・町づくりそのもの」と話すお二人。子育て真っ最中の、宮っ子家族です。


福應神社
西宮市今津大東町1-28
TEL.0798-26-0769

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