プロゴルファーが使う道具といえば、クラブ、ボール、ウェアやゴルフバッグに靴。このような道具類は、ほとんどメーカーと契約しています。メーカーにとっては、トッププロに使ってもらうことが、何よりの宣伝効果になります。特にテレビが普及してからは、優勝争いをすれば、常にその用具が映っていることになるのです。
 杉原プロが3勝を挙げた1964年、岡山のボールメーカーのファーイーストと専属契約を結びました。現在のプロゴルファーは、いろいろな企業と所属契約していますが、当時、ゴルフ場以外と契約を結ぶのは杉原プロが初めてのことでした。
 「契約金は2百万円。今では年間1億円以上稼ぐ選手がいますが、当時では大金です。契約金以外に遠征費用を負担してもらい、試合で稼いだ賞金はファーイーストと折半、という契約でした。茨木CCの所属ではなくなりましたが、練習は自由にできるようにしていただきました」

 その後、所属は変わっていきますが、用具類の契約はほとんど同じメーカーです。ウェアはプロになってからずっと、ペンギンマークのマンシングウェア(デサント)。
 「デサントの社長が、茨木CCのメンバーさんでした。契約金をいただいて、僕がプロ入りしてから、ずっとウェアを提供して下さっています。プロになりたての頃、ペンギンマークは高くて自分で買うのは無理だったので、ありがたかったですよ」
 ゴルフ用具も日々進化しています。ドライバーのヘッドはパーシモンからメタル、チタンへと変化。シャフトもスチールからカーボンに。シャフトの長さも長尺へと変わってきました。
 ゴルフは練習を重ね、身体が感覚として覚えていくものです。プロにとって用具を変えることは、今まで持っていた感覚を変えることにもなるのでは?と尋ねると
 「ともかく飛距離が欲しかった。プロの中に用具を変えることに慎重な人もいます。でも、僕はプラスになるものには、早く対応していかなければ損だと思っています。クラブの契約は国際興業のパワービルトです。初優勝の日本オープン後、陳清波さんの紹介で使用契約をさせていただいています。」
 プロの使うボールは糸巻きが主流でしたが、ツーピースボールという飛距離が出やすいボールが開発されます。
 「糸巻きに比べてツーピースは飛ぶけれど、打感が硬く、スピンがかけづらいと言われていましたので、プロはほとんど使っていませんでした。でも、僕は打感も気に入っていまし、飛距離が出る方がよかったので、いち早くツーピースに切り替えました。その後、40年以上キャスコと契約していましたが、現在は、タイトリストにお世話になっています」