1928年。ロサンゼルスの郊外で息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン。ある日突然、家で留守番をしていたウォルターが失踪。誘拐か家出か分からないまま、5ヶ月。息子が発見されたとの報せを聞き、クリスティンは再会を果たすが、彼女の前に現れたのは、ウォルターではなく、彼によく似た見知らぬ少年だった。

 老境の域に達してなお、自身の最高傑作を塗り替えている感さえあるクリント・イーストウッド監督の“硫黄島”2部作に続く本作は、誘拐された息子の生還を祈る母親の闘いを描くサスペンスドラマ。平凡な主婦が、子供の行方をつきとめたい一心で腐敗した警察権力に立ち向かい、闘い続ける姿を寡黙なタッチで描き出す。主役はアンジェリーナ・ジョリーの多彩なキャリアを誇る彼女の集大成とも思える熱演ぶりに注目。また、綿密に時代考証されたセット、脇役の俳優一人ひとりまで行き届いたイーストウッド流の演出を体感できる一本といえよう。