「プロにとって、トレーニングをすることは基本中の基本です。無理なトレーニングをしては駄目だし、甘くてもいけない。ただ、僕がプロになった頃は、トレーニングをしている人は少なかった。試合が始まる時期の2カ月前くらいから、レッスンを断って試合のための練習をするぐらいのものでした。僕は身体も小さいし、ともかく飛距離が欲しかったので、縄跳びやバーベルをあげたり、家の近くの弁天神社の階段上りを何往復もして走ることは続けていました。ただし、我流です。成果があったかはわかりませんが、精神面では鍛えられたのかな、と思います」
 89年、杉原プロは永久シード権を得ます。73年にプロゴルフ協会がツアー制度を施行し、賞金ランキングの上位者に翌年のツアー出場権、つまりシード権を与えました。永久シード権は73年から通算25勝をしたプレーヤーに与えられ、現在では、杉原プロを含め7人の選手が永久シード権を得ています。
 「試合に出ても距離が出ないし、永久シードを持ってはいても、賞金ランキングのシードが取れないのは納得がいきません。96年から我流のトレーニングではなく、専属トレーナーについて加圧式トレーニングを始めました。ゴムベルトで腕や足のつけ根を締めて、血流を少なくして行うトレーニングで、高地トレーニングと同じよう効果が得られるようです。始めた頃は月に4〜5回、東京の府中まで通ってトレーナーの指導のもと行っていました。今は月に1回しか行ってませんが、家で毎日できることは続けています」

 プロスポーツ選手にとって選手生命の致命傷にもなりかねない病気やケガ。ゴルフは激しい運動ではありませんが、腰痛や腱鞘炎などを抱える選手も少なくありません。
 「たくさん病気やケガをしました。病院に行くときに、既往症を書くことがあるので、女房に一覧表を作ってもらっています(笑)」
 杉原プロもケガや病気で思うようにシーズンが送れなかったことはあります。プロになりたての22歳のときには、日本プロの前日に盲腸になったこともありました。87年には首位争いをしていたのに、腎臓の病気で途中棄権をしたこともありました。腰痛やぎっくり腰、肋骨にひびが入ってしまい安静にしなければならないこともありました。
 「今も癌と向き合い戦っています。今までいろいろな病気をさせてもらったけど、振り返ると人には経験できないことを経験できたと思っています。なってしまったことをくよくよするより、神様から休みなさいと言われていると思って、有意義な時を過ごさないといけない。内にこもるより、治療に専念して1日でも早く復帰ができるようにしなければならないと思います。ただ、今も現役を続けられているのは、運の良さと健康に産んでくれた親に感謝しています」