兵庫芸術文化センター管弦楽団(以下PAC)はホールが持つオーケストラで、日本では初の試みの楽団です。PACの企画、運営、広報として支えるプロモーションマネージャーの横守稔久さんにお話を伺いました。
横守さんは学生時代、吹奏楽部でトロンボーンを吹いていました。
「私が大学の頃は、バブル時代。企業の説明会に行くと、いい車に乗って豊かな生活という話をされましたがどうも違和感がありました。その風潮がいやで、真剣に就職活動をしていなかったんです。そんなときに、尼崎のアルカイックホールで吹奏楽に詳しい人材を探しているという話があり、就職しました」
ホール運営、企画と順調に仕事を続けました。10年勤めると一通りのことがわかり、新たなことに挑戦したいという気持ちになったそうです。
「西宮に芸術文化センターができるので、職員を募集していたんです。1度目は不合格でしたが、あきらめきれず、もう一回応募。ようやく採用が決まり、'04年8月からこの仕事に就きました。当時はまだPACを作っている段階です。今までの経験でホール事業は分かっていても、オーケストラの仕事は初めて。それもオーケストラを一からスタートさせるわけですから、一杯いっぱいの毎日でした。その中でも芸術監督の佐渡裕さんの独創的なアイディアにはいつも感心していますし、学ぶところは多いです」
日本に有名なオーケストラはたくさんありますが、そのオーケストラがどこで練習をしてその拠点がどこかといった詳しいことがわかっている方は少ないと思います。
「ヨーロッパでは、昔から王様のおかかえ楽団がありましたので、今でも街がオーケストラを持っています。しかし、日本にオーケストラが入ってきたのは明治以降で、歴史も浅い。街をあげて支援という文化は、なかなか根付きにくいでしょうね。その点、PACは芸術文化センターのオーケストラとして、居場所が明確ですし、3千6百名の方々が定期会員になっていただいています。そういう意味でも『街のオーケストラ』として支持されていると言っていいのではないでしょうか」
芸術文化センターのそばを通ると、楽器を持った若い人たちとすれ違うことが度々あります。そんな若い演奏家がレベルアップを続けていく様子を楽しみにしている定期会員もたくさんいます。
「PACは海外からも広くメンバーを集めています。可能性を秘めた奏者が入ることで、楽団のレベルも上がります。と同時に、PACを卒業した後、日本はもちろん、世界中で活躍する奏者が増えてきています。その流れができると、『PACに入って修行を積めば』と、どんどん才能溢れる奏者が集まって、楽団の士気も高まります。相乗効果になってほしいですね」
9月に5期目を迎え、これからの活動がますます楽しみなPAC。定期演奏会といった本格的なものから手軽に楽しめる名曲コンサート、子供向けの演奏会…。あらゆる層に音楽の素晴らしさを伝えられる企画をこれからもたくさん創ってください。












