
杉原プロは97年の冬に前立腺ガンの告知を受けました。ガン治療は、手術で病巣を取る、放射線や抗がん剤を用いるなど、選択肢はいろいろあります。杉原プロが選んだのは、ホルモン療法。前立腺ガンは男性特有のガンのため、女性ホルモン(抗男性ホルモン)の注射をして、ガン細胞の増殖を抑える治療でした。
「手術をすれば、完治できたかもしれません。でも、それを選択したら最低2カ月はゴルフができません。60歳という自分の年齢を考えたら、そんなに長い期間ゴルフをしなかったら、現役を続けることは無理です」
ホルモン療法も、筋力が落ちてプレーに影響が出るかもしれないと告げられていました。
「前の年から加圧トレーニングを始めていて、飛距離が伸びていたのですが、ホルモン療法をしてからは、20ヤードほど飛距離が落ちてきました」
あくまでもレギュラーツアー出場を望む杉原プロにとって、飛距離が落ちてしまうのは大変なことでした。予選通過できたのが、98年は8試合、99年と00年は2試合、01年は1試合のみに。「飛距離が出ないだけでなく、パットも入らず、ゴルフすべてが噛み合わないもどかしさを感じました」
06年4月のつるやオープン。久々にレギュラーツアーの予選を通過しました。このとき、68歳。日本どころか世界最年長の予選突破。あと一打少なければエージシュート(1ラウンドで、自分の年齢以下のスコアで回ること)でした。
「僕の誕生日は6月。2カ月後にスライドできへんかな、と話しました。たくさん応援してくださる方々に応えられるゴルフをしなくては、という思いが強くなりました」
そして、08年冬、今度はガンがリンパ節へ転移。「リンパへの転移はショックでしたが、骨に転移するよりはましです。どれも自分が考えた上での選択だったので、受け入れるしかありません」。一時は粒子線治療にX線治療を併用していましたが、あまりのつらさに今はやめています。「今できることを精一杯やるしかありません。ヒーリングをやっておられる方と知り合い、前向きに取り組んでいます」
「若いころは、肉、肉…と5日連続で肉を食べ続けることもしょっちゅうでした。肉は食べても野菜は食べなかった。でも、50歳を過ぎるころから、気を付け始めました。突然、食事に気を付けても、『もう遅い』と考える方もいるかもしれません。でも、やらないよりはましだと思います。病気になれば、家族や近親者に迷惑がかかる。それに、女性にもまだまだもてたいですからね(笑)。かみさんがバランス良い食事を考えてくれています。トマトを煮たもの、たまねぎのスライス…など野菜中心です。そして、よく噛んで、塩分にも気を使っています。かみさん特製の野菜ジュースも欠かしません。かみさんには感謝しています」
ガンがわかってからは全国にいる知人や後援者がガンに効くという様々なものを送ってくれました。「ありがたいことです。いろいろ試してみました。その中で今なお続けているのが、アガリスクです」











