
杉原プロは若い頃から、犬や猫を飼っていました。犬や猫は杉原プロにとっては家族の一員で、自分の子供のようにかわいがってきました。普段、鋭い眼光の杉原プロもペットの話になると目元が緩み、やさしい笑顔になることから動物好きが伝わってきます。
「ツアーで疲れて帰ってきても、玄関に家内より先に犬や猫が待っていることもありました。そんなときは、予選落ちをしていても、ホッと和めましたね。今、犬は飼っていません。猫もチーちゃんとデコと名付けた外猫がたまに遊びに来ます。餌を食べに来て、気が向けば家の中まで入ってくる。でも、野良猫だから気まぐれです」
たくさんのペットを飼ってきた中で、マイちゃんという白い猫がいました。杉原プロがガン告知を受けて一年後ぐらいの出来事です。試合がありましたが、予選落ちをしてしまったある日曜日。当時飼っていた犬のケイパーとナナを連れて散歩に出ました。
「いつもの道を歩いていると、白い猫が寝そべっていました。そのときは、『あ、猫がいるなぁ』ぐらいであまり気にも留めていませんでした。家にもどり、何時間かして再び散歩に出ると、ケイパーとナナがさっきの猫を見つけてほえています。行ってみると、白い猫は瀕死の状態でした。どうやら、車に轢かれたようです。家まで連れて帰り、どうしたらよいかと考えた末、救急車に電話をしました。さすがに猫を運ぶことはできないと言われました。当たり前のことですが、僕にとって犬や猫はそれほどの存在なのです。そこで、急いで電話帳で動物病院を調べて、日曜日でも開いている近くの病院に運びました」
もう駄目かと思っていた白い猫は、10日ほどすると病院を退院しました。その日から、家族に子猫が加わりました。迷い込んできた猫だから、「マイちゃん」と名づけました。マイちゃんは元気にはなったものの、下半身不随のため、自分でトイレをすることもできません。
「もともと家内は猫が嫌いでした。『でも、マイちゃんなら大丈夫』と、一生懸命世話をしてくれました。おしっこやウンチも自分でできない。搾り出してあげなければならないのです。マイちゃんは瀕死の状態から助かり、下半身も動かない。それでも必死に生きています。それに比べたら、僕の身体の中にガンはできたけれど、手足に不自由はありません。ゴルフも続けられることにありがたいと思わなければいけない、とどれだけ励まされたことか。ツアーで予選通過していれば、マイちゃんとの出会いがなかったと思うと、運命みたいなものも感じます」
健気に頑張るマイちゃんとの生活から、杉原プロはたくさんの元気をもらったようです。











