脂肪事件

最近「ブタ猫」などと太った猫が可愛いとテレビ番組などでもてはやされているのを見かけるが、実際あんなに太っていると本当に命がけだ。

肥満猫には糖尿病や肝臓などの病気が多いが、先日、私の病院でも太っているが故に大変な手術になった猫がいた。お腹の脂肪は7cm以上、体重9Kg。普通の猫の2倍。もともと尿に石ができる体質だったが、コントロールがうまくいかず、完全に石が詰まって尿道閉塞に。さらに急性腎不全になって命も危険な状態になった。太りすぎで尿の出口も脂肪に圧迫されている。尿を定期的に出すために別の出口を作る手術になった。

ところがこれが大量の脂肪との戦い! 手術時間は大幅に延長した。術後は自分の体の重みで片足がむくみ、傷口の腫れは脂肪なのか炎症なのかわからないくらいぽよぽよ。この猫が普通の体型なら手術ももっと楽に…いやそもそも手術するほど悪くならなかったに違いない。